2012年7月1日日曜日

聖歌隊賛美:伝W.バード〈ノン・ノビス・ドミネ〉(7/1)


聖歌隊指揮者の竹内茂夫です。

本日,聖歌隊が礼拝の中で賛美しました。
曲は,伝W.バード〈ノン・ノビス・ドミネ〉(我らにではなく,主よ)です。

これは,讃美歌第II篇にも入っている曲ですが,元々短いラテン語で作られている曲ですので,ラテン語で練習を重ねてきました。

毎度本番に強い聖歌隊でしたので,大変な雨の中湿度も高くて響きが心配でしたが,全くの杞憂で
「我らにではなく,主よ,我らにではなく,
あなたの名に栄光をお与え下さい
Non nobis Domine, non nobis,
sed nomini tuo da gloriam
sed nomini tuo da gloriam.」
と,詩篇115篇(ラテン語聖書ウルガタでは113b篇)力強くまた美しく賛美を捧げることができたと思います。


作曲者は,イギリスのエリザベスI世時代に活躍したウィリアム・バード(1543-1623)の曲と言われていて讃美歌第II篇にもそのように書いてありますが,実際は作者不詳のようです。

この曲は讃美歌第II篇にも収録しておりますし,高校時代に別の聖歌隊の指揮者をしていた時に,古楽が好きだったということもあってともかく取り上げまして(その時は日本語),これで当時開催されていた「讃美歌大会?」にも参加して指導を受けた懐かしい曲です。
それから何十年経ちましたが,何も知らなかった当時ともかく歌いたい!と思って,十分知識などもなく取り上げたことに冷や汗が出る思いです(汗)。

曲としては「かえるの歌」のようなカノンの形式で書かれていますが,カノンはパートが重なるうちにいつの間にか美しい和音の響きを生み出しますし,実はこれでルネサンスの対位法の形式も学べるという意外に奥が深いジャンルだと思います。

聖歌隊も今はパートが全部揃わないのでどういう選曲にするべきか悩みましたが,このようなカノンを取り上げることで,豊かな響きと対位法も学べるということで,これからも取り上げる予定です。

ちなみに,今回使った楽譜は,ネットにありフリーで利用できます。
http://www.free-scores.com/download-sheet-music.php?pdf=11167#